ザ・グランドファーザー : おじいちゃん

the grandfather

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2005.02.16

_ [マンガ][感想]藤本和也/日本の夏、天狗の夏。

本: 日本の夏、天狗の夏。作者が方々の同人誌で発表した短編を集めた作品集。行った本屋で、収録作の被らない同人誌と一緒に特集されていたので、わりと迷って試しに読む。置かれていた見本の絵柄の印象があまりよくなくて。なんというか、『ラブロマ』をもっと素朴にして、中央線のオレンジ色で軽く煮たような絵柄に、繊細でおずおずしたようないかにもな創作ぽさを認めてしまって、食傷の気配が心配されて、既刊をまとめて買うには至らなかったのだけど、読んでみたら裏切られた。おもしろい。一見、可愛い絵柄と、力強さと好ましい生臭さの混じったストーリーの馴染み具合と馴染まなさ具合。女学生型CDプレイヤーが都会の独り者のところに出荷されて、幻の名盤開放同盟なんかの中央線臭のキツいCDばかりかけられてやさぐれていく『美しひしらべ』、家の裏には火星の地表、ともすれば『ほしのこえ』的といえなくもない状況がいきなり日常に収束してしまう『夜を作る』、陵辱されて殺されて、目覚めたら棺の中にいた『つやばなし』、変な生き物の傍らで、私は読書きを習い、蛇の生き血を集める『むかしのお化けの話』辺りが印象に残る。易くハートウォームに落とさない、軽く突き放したような作劇が読みいい。やけに女の子との色事が描写されるのだけど、またその女体の描き方がシュアにいやらしくて、胴の長さ、胸の外向きさなんかに、ディテールの捉え方への醒めた、というか観察的な視点が見えて面白い。ちょっとズレるけれど、TAGROを連想した。

_ [DVD][映像][感想]スチャダラパー/スチャダラ30分, Fanatastic Video Festival

DVD : ファンタスティック ビデオ フェスティバルDVD : スチャダラ30分スチャダラパーの初期の映像集がDVDで復刻されたので観る。MTVが星を覆い、スカパーやサテラビューが駆け巡っても、CDやレコードが消えてなくなるほど視覚にオリエンテッドではない近未来以前の作品なので、考古学的視点を用意するのが観やすい。知らないサブカル。音楽関係者(スカパラ、フリッパーズギター、LB Nation、高橋幸弘、etc,)を除いても、桜沢エリカ、岡崎京子、いとうせいこう、泉麻人、渡辺和博、WAHAHA本舗、竹中直人、ノッポさん、広川太一郎。出演者のハブとなったものがみつけづらい。スチャダラパーそのもの、なのかなあ。宝島とかかしら。『スチャダラ30分』がリリースされた91年辺りのサブカルチャー状況も、あと4,5年したら再消費されそうだ。今が一番化膿している頃なのかもしれない。あとは、『ゲームボーイズ』のPVにATARIのLynxが出ているとか、吹越満のロボコップ芸は今見るとダフトパンクみたいとか、そんな辺り。この頃のビデオ撮り映像の風化具合は非常に居心地の悪いものになってしまっている。やるせない。

_ [音楽][感想]RAMRIDER/Music

RAM RIDER OFFICAL WEB SITE "きく耳をもつ"ためのディシプリンその6。何かできいたDr.マリオのテーマのアレンジや、YMCK/FAMILY MUSICでのリミックス仕事から伝ってきいてみる。まずボーカルが入っているのが意外で、わりと面食らう。原典がPSG感モリモリだったリミックス仕事ではうまくバランスしていたようだったのだけど、その軛を逃れたオリジナル楽曲は、多分氏の本来の資質なのだろうけれど、快活さとさわやかさが突出していて、きいているとだんだん申し訳ない気持ちになってくる。俺の夏はこんな、オープンカー!合成風力!ベイサイド!キキッ、不夜城ー、みたいな様相ではないものな。少々まぶしすぎる。明らかに聞き手のキャパシティに問題があり、困る。更には、ピコピコ感に寄り添った、ボンクラを的にかけたアレンジもちゃんと用意されている出来杉感がまた萎縮を誘うところ。もうダメだ。いや、楽曲は全然ダメではないのだけども。うーん。
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